2026年は“THE MODSの45年間・45年目のTHE MODS”を見せる年になる!
- FUKUOKA BEAT REVOLUTION
- 14 時間前
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Photo by 斉藤ユーリ(LIVE)
本2026年は1981年6月21日にアルバム『FIGHT OR FLIGHT』、シングル「崩れ落ちる前に」でデビューしたTHE MODSにとって、記念すべき「45周年」になる。アニヴァーサリーイヤーを迎えた彼ら、そのための準備は整ったと言っていいだろう。
THE MODSは昨2025年11月8日(土)仙台「Rensa」から11月14日(金) 名古屋 「DIAMOND HALL」、11月22日(土) 福岡 「UNITEDLAB」、11月29日(土) 大阪 なんば「Hatch」を経て、 12月5日(金 )東京「Zepp Shinjuku」まで、”立ちのTHE MODS”を解禁したツアー「THE MODS TOUR 2025 “BACKBEAT AGAIN”」を全5公演ソールドアウト、いずれも中止・延期なく、見事にやり切った。
その準備として同年5月から6月までは「THE MODS Premium Acoustic Tour 2025 “REV REHAB AROUND"」(5月17日<土)>大阪 なんば「Hatch」、24日<土> 福岡「 UNITEDLAB」、31日<土> 名古屋「 DIAMOND HALL」、6.月5日<木> 東京「 LIQUIDROOM」を開催。その前年2024年11月24日<日>には「東京キネマ倶楽部」にてファンクラブ会員限定で2年4ヶ月ぶりのライブ「THE MODS SWITCH LIVE 2024 “REV REHAB”」を開催)が行われた。大谷翔平ではないが、いわゆる実戦形式のリハビリライブを経て、アコースティックではなく、エレクトリック、サポートやゲストをつけず、森山達也(Vo、G)、苣木寛之(G、Vo)、北里晃一(B、Vo)、佐々木周(Dr)という4人のラインナップで立ちのTHE MODSを復活させる。 “完全復活”と言いきっていいのか、わからないが、45周年を迎える準備は出来ているのだ。
THE MODSにとっては“試金石”ともいえる「THE MODS TOUR 2025 “BACKBEAT AGAIN”」の最終公演を2025年12月5日(金)に東京 「Zepp Shinjuku」で見た。同所は新宿・歌舞伎町のど真中にある。彼らにとっては初の会場だが、猥雑と近未来が交錯する街にTHE MODSは帰ってきた。
同ライブを一言でいうと“新しい『アスファルト・ジャングルの上の独立記念日』”ではないだろうか。見る前からそんな予感もあった。実は久しぶりの“立ちのTHE MODS”のツアー、先行した大阪や福岡の公演の情報を得たからだ。予めセットリストを入手したわけではないし、録音や録画したものを見聞きしたわけではない。ただ、終演後に観客の方がSNSに上げた写真(終演後のステージ写真)に、あのバックドロップ(ステージの背面を彩る布製の旗)が写っていたからだ。
そのバックドロップとは、メキシコ五輪の男子200mの表彰式で黒人差別に抗議の示威行為として顔を下に向け、拳を突き掲げた金メダリストのシルエットをTHE MODSという文字に絡めた彼らのデビュー当時のバンドロゴをプリントしたものである。
1989年5月8日に渋谷公会堂で行われたコンサートは『アスファルト・ジャングルの上の独立記念日』とタイトルされ、そのバックドロップが印象的に掲げられていた。いまや、伝説としてモッズを愛するKIDS達の間では1982年6月20日の東京「日比谷野外音楽堂」での“デビュー1周年記念コンサート”になる“雨の野音”とともに語り継がれている。かりそめのバンドブームの中、“これぞ、THE MODS”という初期のナンバーを立て続けに演奏。演奏時間は1時間にも満たないものだったが、腑抜けたロックシーンに強烈な一撃をくらわせた。その後、「NAPARM ROCK」とういう曲が生まれ、スタートの地・ロンドンで録音したアルバム『NAPALM ROCK』(1989年12月21日)をリリースしている。彼らの“1989年のパンクロック”は再び、「時代を映す鏡」となった。
この日のライブ、それは果せるかな、2025年の“新しい『アスファルト・ジャングルの上の独立記念日』”になる。いうまでもなく、単なる再現ではない。“新しい”に意味がある。THE MODSには懐古や郷愁は似合わないだろう。
既に全公演がソールドアウト。チケットはプラチナチケット化していた。相変わらず世間は騒がしく、喧しい。不幸な分断や正義のない争いが溢れる2025年の年末、この日ばかりは幸運を手にした観客達が新宿・歌舞伎町の「Zepp Shinjuku」に吸い込まれる。1階だけでなく、2階にも人があふれる。開演時間が迫る午後7時過ぎには“THE MODS CALL”が会場に響き渡る。
会場が暗転すると、オープニングには名匠バーナード・ハーマンが作った、映画『タクシードライバー』のテーマソング「Theme From Taxi Driver」が流れる。ファンにはお馴染みだろう。何度、同曲を聞き、THE MODSのライブの始まりに心をときめかせたことか。そんな中、メンバー4人のシルエットが暗いステージに浮かぶ。彼らがこの日、幕開けに演奏したのは2025年9月10日に配信リリースした最新曲「HURRICANE HURRICANE」だ。その歌詞には“戻ってきたぜ 死刑台から 戻ってきたぜ 闇の淵から”という言葉がある。それは、まさにTHE MODSのそのものだろう。
コロナ禍だけでなく、森山達也の突発性難聴、苣木寛之の「増殖性硝子体網膜症」など、その治療や手術のため、コンサートの延期や中止が相次いだ。アコースティックコンサートやイベントなどはあるものの、いわゆるエレクトリックコンサート、“立ちのTHE MODS”は2021年の『40TH ANNIVERSARY LIVE』の翌年、2022年のアンコールツアー「40TH ANNIVERSARY LIVE ENCORE『続・約束の夜』」(2022年6月11日<土> 大阪 なんば「Hatch」、6月18日<土> 川崎 「CLUB CITTA’」、6月25日 <土>福岡 「Zepp Fukuoka」、7月1日<金> 名古屋「 DIAMOND HALL」、7月5日 <火>仙台 「Rensa」、7月9日<土> 日比谷野外大音楽堂)の最終公演、2022年7月9日(土) の日比谷野外大音楽堂まで遡る。
観客にとっては、随分、待たされ、待ちぼうけをくらったといってもいいだろう。佐々木を抜かせば森山、北里、苣木は60歳を超え、森山は古希も近い。満身創痍。いろんなところにがたが来ている。暖かい目で見て欲しい。とりあえず、彼らは“最前線”に戻ってきた。彼らの帰還を待ちわびていた観客にとって待望の復活、こんな嬉しいことはないだろう。まさに「HURRICANE HURRICANE」は、このライブの“テーマソング”である。とにかく、THE MODSは戻ってきたのだ。

続けて披露された「WATCH YOUR STEP」は説明不要、デビューアルバム『FIGHT OR FLIGHT』(1981年6月20日)に収録された名曲である。古くからのファンはご存知かもしれないが、THE MODSはエピックソニーと契約して同社からデビューする前にあるレコード会社と仮契約をしてデモテープを録っていた。しかし、それは彼らに相応しいものではなかった。もし、彼らがその選択をしたら今のTHE MODSはなかっただろう。そんな屈辱的な経験とスターシステムとの決別を歌にしたのが同曲である(勿論、デビューアルバムに収録された「TWO PUNKS」も同様だ!)。その曲を2曲目に持ってくる。何か、観客に向けて宣言をしているかのようだ。“作られた夢とは取引はしない”( 1991年、THE MODSが設立したインディーレーベル「スカーフェイスレーベル」からのファーストアルバム『叛~REBEL』に収録された“10年後の「TWO PUNKS」”というべき名曲「LOOSE GAME」に思いを込めた)という彼らの信念の表明である。
そしてTHE MODSの隠れた(隠れてはいないか!)名曲「TEENAGE BLUE」が披露される。甘くもほろ苦い、ソフトでメロウな名曲だ。オリジナルはアナログ(LPサイズ)のダブルジャケット、33回転と45回転の2枚組みという変則的なアルバム『JAIL GUNS』 (1984 年6月21日)に収録されている。1982年の「B29ツアー」の渋谷公会堂、1983年の「ファイルツアー」での品川プリンスゴールドホール、1983年の目黒「鹿鳴館」で行われたシークレットギグ…など、ベストライブアルバム(33回転)と、クラッシュファミリーのパール・ハーバーのレコーディング時に作られた新曲3曲を収録したミニアルバム(45回転)で構成。「TEENAGE BLUE」は新曲3曲の1曲である。
続いてコロナ禍の中、2022年11月9日にリリースされたアコースティックなマキシシングル『DRIVE WAY JIVE』( DRIVE WAY JIVE」、「旧型ブギー」、「やってられないぜ」という新曲3曲に「夜に抱かれて/SHADOW OF THE NIGHT」のアコースティツクによるセルフカヴァーを収録)のタイトルトラックを演奏する。「DRIVE WAY JIVE 」には“会いにいくぜ”、“ショーが待っている”、“サーカスは続く”、 “きつい旅なら楽しめ”、“逃げ出すな”……という同時期ならではの“メッセージ”が歌い込まれている。まるで自らに歌い聞かせるかのようだ。
森山が“次は苣木が歌います”とアナウンスする。苣木が「U.K.FLIGHT 583」を披露する。同曲は前述の変則的なアルバム『JAIL GUNS』(1984.年6月21日)に収録されている、パール・ハーバーとの英国録音の際にレコーディングされた苣木作曲のナンバーだ。当時のライブでは苣木のパートで披露されることが多かった。ロックンロールのルーツを辿りながらもシャープでモダンな装いの彼らしいナンバーである。

土屋昌巳がプロデュースした彼らのサードアルバム『LOOK OUT』( 1982年9月22日) から「SHE'S THE C 」、「T-O-K-Y-O アイランド」が演奏され、そして、マクセルカセットテープのCM曲として全国にオンエアされ、大ヒットしたナンバーにして、あの伝説の“雨の野音”を歌った「激しい雨が」(シングルは1983年9月21日にリリース。同年11月21日にリリースされたアルバム『HANDS UP』に収録)を畳みかける。同CMにはメンバー自身もイメージキャラクターとして出演。彼らの名前や存在がより多くの人達に知られる契機にもなった。
「SHE'S THE C 」、「 T-O-K-Y-O アイランド」と続き、「激しい雨が」が決め打ちのように放たれる。まるで80年代当時のライブのハイライトシーンをそのまま持ってきたかのようだ。観客はTHE MODSの世界に一気にひきこまれる。
そんな雰囲気から一転、森山はエドワードジャケットを纏い、「TRUMP」を披露する。同曲は「スカーフェイスレーベル」からのアルバム『TRUST ME TRUST YOU』(1993年11月25日)に収録されている。お馴染み“ジョーカータイム”の始まりだ。
ステージをところ狭しと軽快に動き回る森山。手にしたトランプをシャッフルし、それをステージから客席へばら撒く。そのカードは正面(ステージ後方)、下手・上手(側の壁)のLED画面に反映され、まるでカードが会場全体に降り注ぐかのような演出がされた。トランプを煙に巻くが如く、森山は小粋な“カードマジック”(手品)を見せてくれる。シリアスなバンドととられがちのTHE MODSだが、こんなサービス精神旺盛でいて、遊び心いっぱいのところも、また、彼ららしいだろう。
続いて、「GO-STOP BOOGIE 」(『LOOK OUT』1982年9月22日)、「ロメオとジュリエット」(土屋昌巳プロデュース『F.A.B.』1992年9月25日)という、THE MODSらしい珠玉の“ラブソング”が披露される。「 GO-STOP BOOGIE 」では“行くか”、“留まるか”を思い悩みつつ、“一か八か やってみな うまくいくかも知れないぜ”と歌い、「ロメオとジュリエット」ではパンク版“ロメオとジュリエット”の趣き。パンクロッカーも恋をする!――そんなラブストーリーをドラマチックに描いてみせる。観客の心のスクリーンに甘く切ない光景と物語が映し出される。まるで映画のワンシーンのようだ。

北里は初期のステージでお馴染み、ご存知、「POGO DANCING」をパンキッシュに叫ぶ。同曲はTBSのドラマ『中卒・東大一直線 もう高校はいらない!』のエンディングテーマに使用され大ヒットしたシングル「バラットをお前に」(シングルの発売は1984年2月1日。同曲は1983年11月21日に発売されたアルバム『HANDS UP』に収録)のB面にカップリングされたナンバーだ。初期のライブでの北里の定番は同曲と、パンク版「MY WAY」だろう。北里らしさに溢れるパンクチューンである。
そして「ゴキゲンRADIO」 (『NEWS BEAT』1981年10月21日)、「TOMORROW NEVER COMES」(『FIGHT OR FLIGHT』1981年8月20日)を畳みかけ、一気にラストまで駆け抜ける。“本編最後”のナンバーを歌い終えると、メンバーはステージから消える。そしてアンコールを求める拍手と歓声は鳴りやまない。
熱烈なアンコールに応える形で、メンバーはステージに登場。会場の興奮を緩やかに鎮めるようにバラッドの名曲「バラッドをお前に」を歌う。前述通り、ドラマの主題歌である。おそらくTHE MODSという冠なしで一般的に知られ、聞かれたのが同曲ではないだろうか。彼らは「バラッドをお前に 」をKIDS達に贈る。まさにそんな言葉が相応しいだろう 。
同曲から一転、自ら鞭を打つかのように「壊れたエンジン」(1998年9月2日にリリースされたロンドンレコーディングのアルバム『CLOUD 9』に収録。1998年6月20日に先行シングルとして発売。TV朝日「リングの魂」のオープニングテーマ曲に使用される)を観客に向けて放つ。
当時から現在まで続く、大貫憲章のクラブイベント「LONDON NITE」のテーマソングとでもいうべき「LONDON NITE」(『PROUD ONES』1995年9月21日)を披露する。会場はさらに熱気を帯び、最高のパーティチューンに心と身体がハイになっていく。
2度目のアンコールは「TWO PUNKS」(『FIGHT OR FLIGHT』1981年6月21日)、「ONE MORE TRY」(『FIGHT OR FLIGHT』1981年6月21日)、そして「他に何が」( KILBURN BRATS』1995年9月21日)を満員の会場に投下する。
そして3度目のアンコールを「 LET'S GO GARAGE 」(『LOOK OUT』1982年9月22日) で締めくくる。同曲は2022年7月9日(土)、日比谷野音で行われた40周年ツアーのアンコールツアー『続・約束の夜』でも最後に演奏された。
いずれも十八番というべき、名曲達である。説明不要だろう。圧倒的な歌と演奏、純度100%の歌詞と楽曲――THE MODの名曲達をこれでもかという勢いと思いで繰り出す。これらの曲達にどれだけKIDS達が背中を押され、勇気づけられたか。 “応援歌”などというと、気恥しいが、それは観客だけでなく、同時に自らの決意表明、自身に言い聞かせているかのようでもある。
今回は1時間に満たずではなく、2時間近いライブだったが、その中にTHE MODSは様々なドラマとメッセージを見せてくれた。その場に立ち合えた幸運な観客達は、黒いレザーに包まれた心と身体を震わせる。
そして、ある曲では楽曲のエンディングに苣木と森山と北里がフロントに並び、3人が同じポーズを取り、まるで歌舞伎のように見栄を切る。また、森山が演奏を終えたギターをローディ―に放り投げるなど、初期の定番といえるアクションやポーズを決めてくれた。敢えて、THE MODSのスタイルやモードに拘っている。きっと、待ってました!と、独りごち、心の中で喝采をあげていた方もたくさんいたはずだ。
この春、THE MODSデビュー45周年企画として、所属した全レーベルからリリースされた楽曲から長きにわたりバンドを支えてくれたファンの投票による(投票は既に昨2025年12月17日の23:59までで締め切られている)オールタイムリクエストベスト『memory of the mods favorite collection 45(仮)」』がソニー・ミュージックレーベルズからリリースが予定されている。その収録曲を少し早く、ライブで聞いたかのような気持ちを抱く。そこにノスタルジーなどはなく、THE MODSのとてつもないリアルがあった。
THE MODSの2026年はアコースティツクツアーのアンコール公演『THE MODS Premium Acoustic Tour 2026 “REV REHAB ENCORE”』(2026年2月27日<金)>大阪 なんば「Hatch」、3.月6日<金)>東京「 キネマ倶楽部」、3月13日<金>福岡「 UNITEDLAB」)から始まる。彼らのオフィシャルには“REV REHAB AROUND チケット争奪戦に敗れ、悔し涙を飲んだ皆さんに朗報。熱き要望に応え、アンコール公演が決定! Jah-RahとKozzy Iwakawaのサポート陣も再集結。さあ、極上のアコースティックワールドへ!見逃すな!! ”とある。前回、見られなかったファンのため、リクエストに応えて、ツアーに出る。そんなファン思いのところがTHE MODSらしい。そして前述通り、この春にはファンのリクエストによるベストアルバムの発表が控えている。さらに45周年は当然、それだけではない。
森山達也は、この日、東京「Zepp Shinjuku」のステージで“野音”は改装のため、使用できないが、45周年に相応しい会場での“アニヴァーサリーライブ”を考えていることを観客へ伝えた。“雨の野音”はないかもしれないが、“GARAGE WONDERLAND”での再会を約束してくれた。それは自らもその場に立ち続けることの誓いだろう。いずれにしろ、今年、2026年は“THE MODSの45年間、そして45年目のTHE MODS”を見せる年になるだろう。周年に相応しい、お祭りが始まる。そして新しい伝説が生まれる――。

THE MODS TOUR 2025 " BACKBEAT AGAIN " SETLIST
2025年12月5日(金)東京・新宿「Zepp Shinjuku」
1 HURRICANE HURRICANE
2 WATCH YOUR STEP
3 TEENAGE BLUE
4 DRIVE WAY JIVE
5 U.K.FLIGHT 583
6 SHE'S THE C
7 T-O-K-Y-O アイランド
8 激しい雨が
9 TRUMP
10 GO-STOP BOOGIE
11 ロメオとジュリエット
12 POGO DANCING
13 ゴキゲンRADIO
14 TOMORROW NEVER COMES
EN1
1 バラッドをお前に
2 崩れたエンジン
3 LONDON NITE
EN2
1 TWO PUNKS
2 ONE MORE TRY
3 他に何が
EN3
1 LET'S GO GARAGE



