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続・鮎川誠が紡ぐ“三都物語”+1――福岡・天神のど真ん中で行われた「高塔山ロックフェス@天神」


ALL LIVE PHOTO by 高塔山ロックフェス

まさか、こんな形で続きがあるとは誰もが予想していなかったのではないだろうか。もしかしたら高塔山でも鮎川誠を追悼するイベントが行われる――そんな予感や願望はあったはずだ。ところが、8月26日に「高塔山ロックフェス」のオフィシャルフェイスブックページには鮎川誠とシーナの写真とともに「SHEENA&ROKKETS FOREVER」と言う言葉が添えられ、10月1日(日)に福岡「天神中央公園」、10月21日(土)に北九州・若松「高塔山野外音楽堂」での開催が告知された。同時点では、出演者などは明記されていなかった。


「高塔山ロックフェス」の代表でプロデューサーである倉掛“HIDE”英彰は、今回の福岡「天神中央公園」と北九州・若松「高塔山野外音楽堂」という2カ所での開催の経緯や意図について、説明してくれた。少し長くなるが、引用する。


「2022年の10月、『ありがとう高塔山、また来年、“ぜったい”会おう!』、こう言い残して去って行った鮎川 誠さん。その時の光景は、2月の代田橋『ロック葬』以来、半年もの間、何も考えられないオレの頭の中をずっとループしていました。そして8月、40年前に他界した親父の墓参りで高塔山を登った時、灼熱の中でふと見た木陰からの音楽堂、うっすらと陽炎がかかる真ん中に鮎川さんの姿とともにこの言葉が浮かんだんです。『それを作れば彼はやってくる(映画:フィールド・オブ・ドリームス)』。そう。やって来る場所がなければあの最後の言葉は嘘になる。あわててスタッフやバンド関係のみなさんに電話やメッセージを送ったんですよ。『やるよー!』って。これが『高塔山ロックフェス2023』の始まりです。決断に長い時間を要した事、緊急開催になってしまった事、ホントみなさんに謝ります。

そこには鮎川&シーナさんの三女『LUCY MIRROR』が今も歌い続けている事、これが大きかったですね。つながる世代、つながるロックミュージック、今まで20年近くやってきた事を次の世代につなげていかなければ…とかね。そんな時、思い出したのは、最後にシーナさんと会って、ライブを見たステージ、福岡市役所前の『ふれあい広場』、天神のど真ん中だったんですよ。

シーナ&鮎川さんの原点ともいうべき、博多と北九州・若松の2都市こそが2023年にふさわしい。そんな事を考えている時に『天神解放地帯』というワードが降りてきて、すぐに『THE KIDS』、『モダンドールズ』に声かけしたり(笑)、山口 洋くんは池畑さんが朝霧ジャムなので、『ヒートウェーブ』が無理なら弾き語りで!とかね。これもスケジュール合わずではあったんだけど。当時のオレたち『NEW DOBB』、『横道坊主』。そんな時代だったよね、天神解放地帯。『そんな福岡めんたいロック』第2世代的な事も裏テーマとして、きちんと『バンバンバザール』や『黒木 渚』から『175R』のKAZYAまでつながり、さらに若手バンドたち。高塔山という伝説を県域はもちろん北部九州、世代を超えて全国につなげていくためにも天神と若松、2会場開催がふさわしいなと。そうイメージができたんです。

そんな中で、ちょうど中学時代からバンドローディでもあったOくんの会社で、『大学生たちがコロナ禍で失った学園祭を取り戻すんだ』というエピソードを聞いていたので、じゃぁ天神解放地帯だ! 一緒にやろう!って感じでつながるロックミュージック、高塔山。みたいに話がどんどん進んでいって、実現したという流れですね。すべてが緊急ですが(笑)。

あの8月、夏の高塔山で降ってくる陽炎は、いつもオレの道を決めてくれるんですよ。先人たちには感謝しかありませんね。」


それを作れば彼はやってくる――そんな場所は文字通り、天神のど真ん中(天神中央公園がある場所は天神の1丁目一番地らしい)にあった。周りを“天神ビッグバン”(“天神ビッグバン”は、警固断層等のリスクがあるなか、更新期を迎えたビルが耐震性の高い先進的なビルに建て替わることにより、多くの市民や、働く人・訪れる人の安全・安心につながるもので、さらに都心部の機能を高め、新たな空間や雇用、税収を生み出すプロジェクトです。建替えにあわせ、水辺やみどり、文化・芸術、歴史などが持つ魅力にさらに磨きをかけ、多様な個性や豊かさを感じられる、多くの市民や企業から選ばれるまちづくりに取り組んでいます。”と福岡市のホームページに紹介されている)の一環で作られた病院やビジネスセンター、大型商業施設に囲まれ、その中のオアシスのような緑地が同公園である。“大学園祭”の名の元、学生達による出店やブースとともにキッチンカーや屋台などが賑やかに並ぶ、同祭は前日、9月30日(土)から開催され、ダンスパフォーマンスや学園祭PRなど、様々なイベントも行われている。この日も各大学の軽音楽部BANDコンテストが行われた。

10月1日(日)、午後2時、『ありがとう高塔山、また来年、“ぜったい”会おう!』という鮎川の言葉とともに「高塔山ロックフェス2023」は始まる。


同フェスの司会のKAZYAは175Rの元メンバーで、同じく175RのメンバーのSHOGOとともに北九州のロック史をまとめた『北九州音楽全史』(N9S MUSIC PROJECT)にも関わっている。彼は「高塔山ロックフェス2023」の主催者でプロデューサーの倉掛“HIDE”英彰を呼び込み、今回の経緯を改めて聞いている。内容は冒頭の文章を参考にしてもらいたいが、少し長めの状況説明は、このフェスがいろいろな困難を乗り越え、漸く開催にこぎつけた証拠だろう。彼は時間のない中、奮闘努力して“約束の場所”を作り上げたのだ。


二人はこの日の幕開けを飾るAREINT(アレイント)を紹介する。ダンサブルなBGMが流れる中、メンバーがステージに登場する。Sakura(Vo)、SEIYA(B)、DAICHI(G)、SHO(Dr)という4人組。全員が1990年代生まれ。“めんたいロック”誕生時には、まだ、姿形もなかったという、文字通りの新世代だ。福岡発のポップロックバンドで2019年にバンド結成ながら直実に活動を続け、福岡のロックシーンの新星として脚光を浴びている。2020年にファーストEP「Little warriors」をリリース。21年8月にファーストアルバム『ROCK’N GIRL』をリリースし、全国21カ所を回るツアーを開催。昨2022年6月にはデビュー3周年の記念として福岡DRUM-B1でアニバーサリーライブを開催している。同年10月に開催された「高塔山ロックフェス2022」にも出演した。ポップでキュートなSakuraの歌を緩急心得た演奏陣が支える。女性ヴァーカルをフィチャーするというと、シナロケの影響を感じさせるものだが、いい意味で彼ら独自のものがある。強いていうならばテイラー・スウィフトやレディ・ガガなど、コンテンポラリーなガールポップアーティストを彷彿させる。Sakuraはシーナ&ロケッツと昨年、共演した時の印象を語る。ライブ後、疲れているにもかかわらず、鮎川さんとLUCYは気軽に記念撮影に応じてくれたそうだ、そのやさしさに心打たれたという。優しさこそがロックンロールだと感じたそうだ。そんな心意気と魂を受け継ぐ、福岡の新世代である。また、先輩として憧れた175RのKAZYAからバンドを紹介を受けたことも嬉しかったという。ある意味、福岡の今を感じさせるバンドでありつつも、表層的なところではなく、奥底では福岡の歴史と伝説に通じ合うものがある。こうして繋がっていくのだろう。まだ、ステージは始まったばかり、観客はまばらながら、目の前にいる観客だけでなく、“大学園祭”をお目当に会場に来て、遠巻きに見ているキッズ達へもメッセージを届ける。


30分ほどのAREINTの演奏後、午後2時50分過ぎにステージに登場したのは同じく福岡の新世代として注目を浴びる「aldo van eyck」(アルド・ファン・アイク)である。その天井天下唯我独尊のサウンドやパフォーマンスで、福岡の早いもの好き、新しいもの好きの音楽ファンの耳目を捉え、既に多くの支持を得ているという。



彼らは2021年に福岡で結成された4人組。メンバーはryunosuke sakaguchi(G)、masahiro yamashita (B)、 dischaaageee (Dr)、tomohiro onoue( Vo、G、Tp、 Kb)。ファーストアルバム『Nada』はオンラインCDショップHOLYDAY! recordsやHMV&BOOKS HAKATAにて即完になっているという。いま、注目のガレージロック、ポストパンク、ジャズ、ブルース、ノーウェイブなど、あらゆるジャンルを吸収し唯一無二のサウンドを作り上げるーーと「高塔山ロックフェス2023」のパンフレットにあるが、パンクジャズが相応しいかもしれない。アート・リンゼイやマーク・リボー、フレッド・フリスなどを彷彿させる。そのアバンギャルドでスタイリッシュな演奏と歌はこれまでの福岡の音楽シーンからは異端かもしれないが、ワールドワイドな活躍も期待させる。メンバーは“サンハウス大好きで、あのギターのトーンはどう出しているのか、学生時代は滅茶苦茶、考えた”という。“めんたいロック”とは無縁と思われつつもしっかり鮎川達が育んだものが後進に刻まれている。

実は”アルド・フォン・アイク”はオランダの建築家、都市計画家、建築思想家の名前でもある。前衛的で破壊的な音を奏でながらも構築的でもある。こんなバンドが何気なく、登場するから福岡の音楽シーンは奥が深い。福岡以外でのライブも積極的に行っている。それにしても演奏中、メンバーが観客に相対せず、一切、見ないで、メンバー同志が向かい合ってサインを送りながら演奏する姿が印象的。やはり、福岡の男はシャイなのか!?



新鋭バンドから老舗バンドへ。午後3時を30分ほど、過ぎてステージには横道坊主が登場する。「高塔山ロックフェス」ではお馴染み、長崎出身のバンドである。彼らは前日、福岡のライブハウス「CB」でメンバーの今井秀明の還暦を祝うライブ「21900 DAYS -dress code red-」をしたばかり。コロナ禍の中、その活動に制限を強いられていたが、漸くバンドでのツアー、通常モードでの活動が再開された。その演奏からは思い切りロックできる喜びを感じさせる。長崎のバンドながら往時の福岡のビートバンドを彷彿させる、尖ったところが魅力である。映画『クローズ ZERO』、『クローズ ZERO Ⅱ』、『クローズ EXPLODE』に3作続けて計5曲が劇中歌として採用されるところが、彼ららしいところ。メンバーも還暦(Legend 横道坊主の今井義人と今井秀明が今年。Neo 横道坊主の永渕英男と黒田慎一郎はもう少し先になる)になりながらも変に成熟してないところが彼らの魅力だろう。そもそも“横道坊主”は長崎の方言で“悪ガキ”のことらしい。パンクの激情とキッズの純粋さを合わせ持つ楽曲が魅力である。今年は“デビュー39周年”になるが、来年の結成40周年に向けて、現メンバー(中村義人<Vo、G>、今井秀明<G、Cho>、長渕英男<B、Cho>、黒田慎一郎<Dr、Cho>)の新録音によって横道初期の名曲たちに新たな命を吹きんだベストアルバム『Revive_CASE-1』がこの9月にリリースされた。この日も“始まりの歌です”と言って、横道坊主が九州で活動していた1987年にインディーズとしてカセットテープで発売しメジャーデビューのキッカケとなった「UNDER the U.K」が披露されている。原点回帰をしつつも新たな一歩を踏み出そうとしているのだ。


このフェスの代表でプロデューサーでもある倉掛“HIDE”英彰は、また、ミュージシャンとして、確かな実績を持っている。かつて率いていた“NEW DOBB”はモダンドールズやザ・キッズ、アンジーなどとともに“めんたいロック第二世代”として脚光を浴びた。福岡のロックシーンの伝説だろう。NEW DOBBで1986年に上京してメジャーデビュー以降、沢田研二など、様々なアーティストやCM、ゲーム、イベントなどへの楽曲提供などで活躍。帰郷後は地元、北九州を中心に活動。シーナ&ロケッツ発案による「高塔山ロックフェス」の代表、プロデューサーとして、北九州のロックシーンの活性化に貢献。同時にミーナ&ザ・グライダーを結成し、同フェスへも出演している。今回はソロユニット、スリーピースバンド“THE GRYDER”として、“小学生低学年の頃、お父さんに連れられ毎年高塔山に来てて、ある時シーナさんに抱えられてシナロケのステージに立った経験があるんです(笑)”という若きギタリスト、悠弥を加え、4人組として出演している。主催と出演を兼ねるのは大変かもしれないが、自らが歌い、奏でることで、高塔山の神話や伝説は継続していくことがわかっているのだろう。黒のジャケットを着こみ、彼らのテーマソングとでもいうべき「PRIDE」を溌溂と歌う。それが彼の“プライド”ではないだろうか。



午後5時を15分ほど過ぎて、池畑潤二(Dr)がステージに上がる。池畑は大江慎也とともにTHE ROOSTERS以前、「薔薇族」の時代から鮎川誠やシーナを知り、実際に交流もあった。高塔山野外音楽堂でも会っているという、後に“高塔山伝説”として語られる高塔山の物語の登場人物である。その池畑が花田裕之(G、Vo)や細海魚(Kb)、隅倉弘至(B)、青木ケイタ(Sax)、タニ―・ホリディ(Vo)、ジミィ(G)などとともに「苗場音楽突撃隊 福岡01」として福岡でライブを行う。苗場限定、門外不出だった“苗場音楽突撃隊”は昨2022年、京都「磔磔」、東京「CLUB QUATTRO SHIBUYA」に出没したが、福岡・天神には初お目見えになる。そこには苗場音楽突撃隊を福岡に連れて来たかったという池畑潤二の思いみたいなものがある。簡単に音楽隊を説明しておくと、同プロジェクトは池畑自らの「フジロック」との関りから誕生したもので、2011年の「フジロックフェス‘11」より苗場食堂のオープニングを飾る。2013年には同プロジェクトを母体に金曜日のグリーンステージに登場、「Route17Rock‘n Roll Orchestra」として、ゲストシンガーとコラボ―レーションしてもいる。そのステージは、レッドツェッペリンの「移民の歌」から始まり、フラワートラベリンバンドの「SATORI」、「MAKE UP」、そしてブラックサバスの「パラノイド」と続く。いきなりの“ハードロック縛り”だ。タニ―・ホリディが張り裂けるような高音を聞かせる。ジョー山中のハイトーンボイスを彷彿させる。レッドツェッペリンは、彼らの世代なら説明不用だろう。フラワートラベリンバンドは2007年11月にオリジナル・メンバーにより再始動しているが、2008年にはニューアルバムのリリースとともに同年の「フジロック」にも出演している。ちなみにHIDEによると、サバスの「パラノイド」はTHE ROOSTERSの前身バンドである「薔薇族」のレパートリーだったという。意外な選曲にもちゃんとわけがある。


観客は一気にヒートアップしていく。THE ROOSTERSがデビューした頃には、まだ、生まれてなかったであろう、興奮した若者が“池畑、池畑―!”と絶叫する。そんな反応にタニ―は、すかさず“君はいくつかな。池畑さんだろう”と注意を促す。福岡ならではのやり取りだろう。


彼らの気迫の籠った演奏に圧倒される。しかし、それは序章に過ぎなかった。ヴォーカルがタニ―・ホリディから花田裕之(いうまでもないが、THE ROOSTERS、そしてその前身、人間クラブで鮎川とは北九州で交流している)へ代わる。サンハウスの「ロックンロールの真最中」からシナロケの「トレイントレイン」、「ボニーとクライドのブルース」、“鮎川さんの友達のウィルコ・ジョンソンの歌も聞いて欲しい”というアナウンスの後に「She Does It Right」、さらにローリングストーンズの「Not Fade Away」を畳みかける。その歌と演奏に圧倒される。まさに圧巻だ。花田は鮎川のナンバーを度々、披露しているが、何か、この日に限っていえば、その迫力、テンションに気圧される。その思いや気持ちが溢れ出る熱演だろう。先日、8月14日の福岡のライブハウス「CB」で開催された“追悼LIVE福岡”などでもサンハウスなどのナンバーを演奏していたが、その時とは、また、違った思いがあったのではないだろうか。ここでロックしたいというシーナの一言から始まった“高塔山ロックフェス”の名を冠したイベント、それも福岡のど真中、天神で演奏すると言うシチエーションが気持ちを高ぶらさせたのだろう。花田のブロックに続き、タニ―・ホリディがAC/DCの「Whole Lotta Rosie」、再びツェッペリンの「ロックンロール」と、“ハードロック縛り”で畳みかける。そして最後は花田が超ド級のハードロック、ニール・ヤングの「Rockin‘ In The Free World」を放つ。福岡の苗場音楽突撃隊は一味違う。こんな彼らを他でも見たいもの。花田は同曲を歌い終え、ピックを客席に投げ入れる。時計は午後6時を指していた。


怒涛の圧巻のステージから20数分後、会場にはカウントダウンが流れ、イグニッションと告げられ、SHEENA & THE ROKKETSが登場すると、お馴染み「バットマンのテーマ」が演奏される。メンバーはLUCY(Vo)、奈良敏博(B)、川嶋一秀(Dr)、そして澄田健(G)がサポートに加わる。彼は鮎川誠の愛器、塗装の剥げた黒のギブソンレスポールを抱えている。「バットマンのテーマ」から「スイートインスピレーション」、「HAPPY HOUSE」、「ボントンルーレ」、「ロックオンベイビー~ロックの好きなベイビー抱いて」、「<A MAIN LOVER>今夜はたっぷり」、「ROKKET RIDE」、「Pinup baby blues」、「レイジークレイジーブルース」……と、間髪なく、快調に飛ばす。聞いていると、いい意味で違和感がない。まるでいつもの“シナロケ”を聞いているかのようだ。勿論、鮎川やシーナの代わりなどいない。だが、そこには鮎川やシーナが来ている。そんな気配が漂う。二人の意志や音楽が自然と反映され、継承されていく。

LUCYは「レモンティー」を歌い終えると、ドキュメンタリー映画『シーナ&ロケッツ 鮎川誠 ロックと家族の絆』でも披露された鮎川誠とシーナによる楽曲制作の幻のデモテープ音源(「ユーメイドリーム」の原型「ユメ・ユメ・ユメ」や「レイジークレイジーブルース」のレゲエバージョンなど)が収録された“幻の真空パック”とでもいうべきアルバム『1979 DEMO』が10月5日にリリースされることを告げる。その音源をリリースできることを嬉しそうに語る。新録ではないものの、シナロケの新しい音源を聞くことができるのは僥倖ではないだろうか。シナロケの活動は停止していない。いまも継続しているといっていいだろう。


LUCYは「ユ―メイドリーム」を歌い終え、会場に“ありがとうね”と、告げて、ステージから去っていく。アンコールを求める拍手と歓声は止まず、数分ほどで、シーナ&ロケッツが天神のど真中のステージに帰って来る。


LUCYは“これが続いていくか、最後になるのか、まだ、決まっていません。来年、やれればやるかもしれません。今が一番、精一杯、やっているところです”と、語る。



LUCYはメンバー紹介する。そこには鮎川誠、シーナの名前もあった。彼らに見守られるように「ユ―メイドリーム」が披露される。大事な歌を大切に歌う。今は天神に降りてきている2人へ思いと気持ちを込める。同曲を歌い終えると、彼らはステージから消える。午後7時から20分ほど、経っていた。余韻を味わいたいところだが、この日は「大学園祭」の最終日、学園祭のスタッフやゲストのレゲエシンガーがステージ上がり、華やかな大団円を迎える。異色のフィナーレだが、新たなスチューデントパワーの萌芽を垣間見るかのようでもある。


いずれにしろ、鮎川誠の紡いだ“三都物語”には続きがあった。10月1日(日)の福岡・天神中央公園を経て、そして10月21日(土)、北九州・若松「高塔山野外音楽堂」でフィナーレを迎える。物語の完結か、継続かはわからない。


先行き不透明ながら前述通り、10月21日(土)には北九州・若松「高塔山野外音楽堂」に彼らはステージに立つ。LUCY(Vo)、澄田(G)に、穴井仁吉(B)、金崎信敏(Dr)という90年代後半のシナロケを支えたリズム隊が参加する。また、11月23日(木)には新宿ロフトで「シーナ&ロケッツ 46回目のバースディライブ」が開催され、LUCY MIRROR、奈良敏博、川嶋一秀、澄田健とともにSPECIAL GUESTも出演するという。


まだまだ、物語は続いていきそうだ。それを楽しむしかないだろう。昔のシナロケもいまのシナロケも唯一無二、ずっと、続いて欲しいと思うものはたくさんいる。


①天神中央公園入り口

②「大学園祭」の出店やブース

③公園のレリーフ

④「高塔山ロックフェス@天神」開演前のステージ

⑤九州の音楽界のBIG BOSS福嶋会長&梶浦

⑥梶浦&川嶋、池畑


PHOTO by FUKUOKA BEAT REVOLUTION




高塔山ロックフェスHP・FB・X

@高塔山

10月21日(土)

OPEN9:30  START10:00

北九州・若松

高塔山野外音楽堂



BAND

SHEENA & THE ROKKETS

LUCY MIRROR(Vo,Tamb)、澄田健(G)

穴井仁吉(B)、金崎信敏(Dr)

THE GRYDER(ex.NEW DOBB)

桐明孝侍 from THE KIDS

MODERN DOLLZ

Makoto&kaz(ex.BOØWY)

BAN BAN BAZAR

黒木渚 featuring 森田真奈美 jazz band

Little Pink Summer

月追う彼方

Art title

怪獣ピクルス

N9S feat.KAZYA(Guest HIDE)

MC:KAZYA(DrunK!、ex.175R)


TICKET

料 金

前売り 6,000円

当 日 7,000円

◎大学生:3,000円

(受付にて学生証をご提示ください)

 ※ガクラク提供

発 売:高塔山BASEショップ

※小雨決行

荒天時はJR小倉駅そば

あるあるシティ7Fホールでの開催となります。

◎小学生以下無料


LIVE STREAMING

料 金:3,000円

発 売:イープラス Streaming+

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