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FUKUOKA BEAT REVOLUTION

1980年のザ・ロッカーズ――40年前の今日、彼らは『フー・ザ・ロッカーズ』でデビューした!


40年前の今日、1980年9月21日にTH eROCKERS(ザ・ロッカーズ)はアルバム『Who TH eROCKERS』で、デビューした。記念すべき最初のエントリーは彼らのデビュー時の貴重なインタビューを再録する。


インタビューを掲載したのは「月刊ロック・ステディ」(同雑誌は伝説の音楽雑誌『MUSIC STEADY』の前身。幻の音楽雑誌と言われている!?)の1980年12月号(鮎川誠表紙・B4特大版)。デビュー・アルバム『WHO TH eROCKERS 』リリース時のもので、新人紹介のページ「THE NEXT COMES UP」に、ブルースハープの第一人者・妹尾隆一郎、ダディ竹千代&東京おとぼけCATSで活躍したギタリスト、寺中由紀夫などが結成したデイブレイクとともに紹介された。




陣内孝則(Vo)、穴井仁吉(B)谷信雄(G)、鶴川仁美(G)、船越祥一(Dr)というメンバー全員にインタビューしている。記事そのものは抜粋になるが、“日本のNo.1のB級バンドになれたらいい”という言葉はいかにも彼ららしい。ただの“No.1”でもただの“B級バンド”でもないところがザ・ロッカーズだろう。彼らは昨2019年4 月に新たなラインナップで、38年ぶりの新作『Rock’n Roll』をリリースして、全国を駆け巡った。そのステージを見たものは、その言葉が継続していることを実感したのではないだろうか。


 


――ファースト・アルバムはどんな感じでできたんですか?

陣内 とりあえず、今回のファースト・アルバムは最後の一曲を除いて、博多時代にずっとやってきたナンバーばかりだから。俺達の今までやってきたことを吐き出したという感じ。俺達の本質を集めたアルバム。


――レコーディングはどうでした?

陣内 成田(※実際は成田の隣の千葉県香取市山倉)の観福寺っていうお寺でやったんです。


――それは、また、どういうわけで?

陣内 スタジオで形通りに録るっていうようなバンドじゃないし、俺達の求めているもの……ニューヨーク・ドールズの初期みたいな地下室っぽいモコモコッとした感じで録りたかったし、いろいろ考えたんですけど。まぁ、あっち(外国)が地下室やらお城やら、こっちはお寺! という。非常にその辺、イージーな発想なんですけど(笑)。一発録りで3時間位で。けっこう、アクシデントもあったんですよね。アンプが飛んだり、お寺の窓がビリビリいいだしたり。それで時間が取られちゃって、本当に一発録りになっちゃった。


――じゃあ、いろいろと気を使ったでしょ。

船越 やっぱファーストでしょ。失敗しとうないし、いいもの作りたいと思って最初、緊張したけど、やっぱりそれじゃだめで。じゃけん、もう最後にはステージと同じようにやって。衣装着て、ワン、ツー、スリー、フォーで。そっちの方が良かったし。俺達、そんなテクニックのあるバンドじゃないし、一番自分達が乗ってきて、リズムが決まってきて、そんな感じの時に録らないと。


――これからの活動はライブ中心?

陣内 そう、ライブ中心で。それにレコードを売りたい。金ももうけたい。


――バンドの目標は?

陣内 とにかくこのバンドで日本のNo.1のB級バンドというか、そんな感じになれたらいいし。僕、ボーカルやけん、自分のスタイルというものを早くアピールしたい。うまく歌おうとは思わんけど、自分の歌を持ちたい。


船越 俺達のやりたいことを客にぶつけて、それで客の考えを変えてやるみたいな。客の考えをこっちで推理しながらやるんじゃなくて。客が何を考えようとおかまえなしにやってついてくる客を乗せるというか。


穴井 今まで自分が見てきたバンドで感動したのと同じような気持ちに客がなってくれるようなバンドになりたい。


 バンドはとりあえず日本のNo.1に。個人としてはギタリストと評価される前に人間として評価されるようになりたい。


鶴川 バンドとしては最初の気持ちを持続させ気をいれてやっていきたい。個人としては、えー、生き残りたい。

 

40年前のインタビューの再掲載に当たり、陣内孝則に改めて内容を確認してもらい、同時に新たなコメントももらった。デビューの前年、1979年7月28日に福岡スポーツセンターで開催されたアマチュアバンド・コンテスト『第6回 L-MOTION ROCK FESTIVAL』(YAMAHA主催)での最初の出会いから語ってくれた。過分な言葉をもらい、自ら宣伝するみたいで気恥ずかしいが、彼は野性的な勘で、敵と味方を嗅ぎ分け、ふるいにかけていたことを知ってもらえればと思う。やがて、日本を席巻する“福岡BEAT革命”の前夜のことだ。


「『ROCK STEADY』の市川さんと初めて出会ったのは、1979年の“Lモーションロック”というロックコンテストの会場だったと思う。私にとっては、初めて声をかけてきたロック雑誌の記者というプロのマスメディアの人だった。凄く物腰が柔らかで、紳士的な人だなあ…という印象だった。そして話してるうちに『この人は、嫌なヤツでも嘘つきでもない信用できる人だな。』と思った。それから早40年、今も印象は変わらない。

『ROCK STEADY』の初めてのインタビューを懐かしく読ませてもらって、マスメディアに対する戦略的な気のきいたセリフも武装した言葉もない、純朴で素直で馬鹿なメッセージだなあ…。と思いました。

私の『レコードを売りたい。金ももうけたい。』と、谷の『ギタリストとして評価される前に、人として評価されたい。』には、思わず笑ってしまった。」(陣内孝則)


WHO TH eROCKERS

TH eROCKERS

PCCA-04408

1980.9.21 Original Release



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